現代の枢軸軍、イラクで戦略目的達成の見込みなし

先日付け日記。
id:mind:20040509から、暴力の正当化つながり。
id:mind:20040413から、枢軸つながり。
 囚人のアンテナhttp://a.hatena.ne.jp/mind/
を手繰っているとよく判るのだが、どうやら、
    枢軸軍、戦略目的達成の見込みなし
の様相が確定したと予言できるようだ。


 フセイン拘束、リビアカダフィ降参
あたりでは、どうにか短期収束できる気配があったのだが......


 転機(事実上の不可逆変化)は2度あった。
1つは、イスラエル軍が、(テロも行う人道組織)ハマスの精神的指導者ヤシン氏を、主権国家に要求される正当手続きを踏まずに
殺害してしまったこと、
 これに呼応するように、id:mind:20040406
イスラエル軍と万人から同視されるところの(USof)アメリカ軍に対して、
イラクの一般市民に抵抗権の発動インティファーダと自覚される民衆暴動が発生し、伝染拡大する傾向にあること。
 これにより、枢軸軍の実効支配による一応の秩序維持が破れ、イラク全土の治安はUS軍の手によっては回復不能となった。
つまり、id:mind:20040509で述べたロック方式の"社会契約に基づく"主権制定が不可能となった。
主権委譲の期日とされた20040630が終わらないうちにイスラエル軍が短期計画的に暴発したのは、
長期的には枢軸軍お得意の行き当たりばったりの裏切りである。これによって、
イラク戦争の性格は、USが反テロ戦争と主張しようがしまいが、
 軍事圧制フセイン排除戦争から、
/→宗教的なイスラム復興戦争に確定した。――国共合作かよ。外交プロパガンダの失敗ですか。
…>スンニー派シーア派との連合ができる下地が整った。
――小国の政府が自己保身のために、大国の同盟国を泥沼の(独立に対する)戦争に引き込んだのである。
――クリントンがキャンプデービッドで和平交渉を頑張っているときに
エルサレム旧市街のイスラム聖域に突っ込んで民衆を挑発し、相手に暴動を起こさせた。
こうして自国民に恐怖感を植付け支持を固めて大統領になったシャロンの得意な手口だ。
――kosobo辺りでも、ミシェロビッチ大統領が使った手口だ。
――USがテロの加熱を本気で冷ましたいならば、「原住民外国人」に対し自分勝手な仕打ちを行うイスラエルという不肖のきかん坊息子をどうにかせねば収まらない。 ここら辺で、国連に正面を譲って、静かに引下がりたい、というのがUSの次善の策、
であったようだが、事態は次に述べるホッブス的段階に退行してしまったのであり、
自前の直轄軍隊を持たない国連にはもはやこれも不可能となった。


2つ目は、枢軸軍の大義であった
大量破壊兵器隠蔽の証拠も発見できないまま、
・枢軸軍が"組織的に"、自分たちが戦略目的として掲げていた、
    Liberal Democracy自由民主主義 の伝播
に真っ向から反する不正当なやり方で、多数のイノセントな者を含むイラク民間人を、継続的に"拷問"していた、
という証拠がポロポロと出てくるからだ。
――ラムズフェルドが真っ先に否定した(かった)こと、正にそれが真実だった。軍人と政治家の言うことはひとまず疑うべきですねw
――枢軸軍の正当性はいくら隠蔽しようとも回復不可能なほど決定的なダメージを受けたことが明らかになってくる。
――日本のメディアはただ虐待?の"疑惑"を心配しているだけのようですが......
 すると、国際世論の継続的集中的な非難を浴びせかけられる中では枢軸軍の士気は維持しがたく、
反対に、イラク各地の武装勢力は、
 支持を受ける民衆という"隠れ家"と"人間の盾"を得て、自由自在にゲリラ戦を繰り広げることができる。
この際、道具としての科学技術的兵器の優越は何の役にも立たない。
人間の盾を殺せば、相手への支持の強化となり、相手の得点となる。
ホッブス戦はどちらかが死に絶えるなどして居なくなるまで終わりません。
――人道を表面的には考慮しなければならない現代の枢軸軍には完遂はできない。
――Elan Vitalは防衛側、現地人にあると言うことだ。
これが、ww2以後、先進国が植民地でホッブス戦に勝てていない理由である。
――チェチェンはどうなったのか。都市部はWW2似の廃墟になりました。これでは引分け。
 すなわち、遠征軍がホッブス方式の主権制定を行うことは不可能となった。
 このまま行けば、第2のイラン革命イラク独立戦争として起きる。
石油利権も、国有化という名で没収される。
 そして、民主的政府に対しては、それが自由民主的でないイスラム民主主義であったとしても、
対外的な正当性にキズはないので、経済制裁などは行うことはできない。
――クルド人の人権をそれなりに扱う限りはね。→連邦の仮面を被った集権国家かなぁ
――できるんだったら中国の天安門はどうなんのよ?
 イラクパレスチナ化かぁー、誰かが望んでこうなったのか......
 USのイスラエル化とも言えるけど。行きたくない国の一つになっちまったな......
色付きはろくな目にあわないだろうねぇ


 ちなみに、日本軍は、
    人道援助目的
を掲げて基地に閉じこもっているようだが、――内的矛盾?
――すくなくとも、基地から出て何かしているというニュースは伝わってきません。あしからず。
ゲリラ戦の段階において人道援助を連呼するのはとても危険なことである。
ホッブス戦においては、武装勢力と遠征軍は、民衆に対するシマ地域的勢力範囲を争う暴力団抗争をしているようなもの
である。

軍事勢力: 他の軍事勢力の保護を受けずに自立活動できる武装勢力 と定義したとき、
http://f31.aaacafe.ne.jp/~balmemo/war_all.htm■きもい文書 でBaldur廃スレまとめ さんも言っているように、
民衆の支持を受ける他の軍事勢力は、
たとえその支配手段が人道援助であり、その結果が心理的支持でしかないとしても、
実効支配をゼロサム的に奪い合う、"敵"なのである。
    民衆sが日本軍を支持している
とは、他勢力から観れば、
    民衆sは日本軍に対し自然権;抵抗権を放棄する代わりに秩序の安定(治安)を保障されている
    民衆sは日本軍の排他的勢力範囲下にある
    我々は民衆sを隠れ家にできない
と同じことなのである。
⇒民衆sを日本軍から引き剥がすためには、どちらともを殺してでもそうするだろう。
 現段階で限定的な地域で支持を得ていたとしても、
⇒孤立する前に帰ってこなければ、集中目標となるだけ。
――「非国民」の人々が言ってたことが正しくなる、とは歴史の皮肉である。


 その際、一般的な枢軸軍の掟として、単独講和などお手の物、とされているから、
いざとなれば日本の立場などUSは無視するであろう。
小ブッシュは選挙に負けるだろうが、共和党だろうが民主党だろうが、
歴史的に、USofアメリカという国は国益に関係なければ自国民以外の自由民主主義などお題目以上の価値を認めないnationalismの国であるから、
――第1次世界大戦後、W大統領の発案した国際連盟に加入しないという自分勝手をして無自覚に第2次世界大戦の布石を打った国である。
 幸い、日本政府は、ヤシン氏暗殺などについてイスラエル政府を非難し、またそうできる立場にあった。
――同盟国の同盟国は、同盟国に非ず、と気軽なわけだ
 次は、USの組織的な拷問のわりと決定的な証拠が出た時点で、この点に限定してUS政府を非難して、
―― 組織的な拷問という事実を指摘した上でなら、"遺憾の意の表明"ぐらいでいいですよ
対テロ戦争全体を支持しつつも、またそのためにこそ、この不正当に観える戦争について中立を宣言し、
―― 私は有形の戦争は支持しないけどね。
日本軍は速やかに撤退し、後は"治安回復の後に民間人による人道支援を行う"ことを約束すれば、
自らの手が汚れないうちにここから手を引けるであろう。
――かっこわるいけど......、
――日本国の権益national interestを失わないうちにタイミングを計ってね。


 今後は、これらの状況を覆せるような事象が
偶発的に起ることを期待するしかないように思われる。
そういう事象とはどんなのだろうか......
だれでもいいから、教えてくださいm@m
 そうでなければ、大きな武装勢力が小さいのを軍事的に併呑する、
というホッブス戦が進行し、ロック的な社会勢力間の話し合いが可能な程度にまで、"燃え尽きる"
のをぽかんと口を開けて映画を傍観しながら待つほかはありません。
――西郷どんも「まだ戦(流血)が足りんぜよ」とかいって国家統一に協力してくれましたよね。
――マリア様の出現 に頼るしかないのかyo


――何でただのカードゲーム作成希望者が、
こんなことを専門家集団の政府に忠告しなけりゃならないのだろうか?
 何で政府は国民に話し合いを問いかけてこないのだろうか?
 もっとも、自衛隊派遣反対を争点の1つどして選挙公約を掲げる
政党に政権を預けなかったのは国民だもんね。
 「他の内閣より良さそうだから」it首相の党首たる政党に過半数を委ねる国民だもんね。(sigh); ;


追記20040514
http://www.global-g.jp/ronkou/yamaguchi20031207.html
全面的に賛成。
 やはり、遠隔地の状況を 国民の多数 が直観的に感得するには時間がかかる、ということなんでしょう。
下手の考え探すに似たり!!
下手の創作マネるに似たり?
 って、「サリン爆弾」がバグダッド路上で発見されたっつーけど。
これがホンモノのWMDだろうか?