★お口の中は赤玉?青玉?のジレンマ?

id:mind:20040620から、様相論理つながり。

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――秋も深まる頃、柔らかい午後の光が射し込む教会の聖堂、マリア像の正面。
論理学教授であるシスターの前に「A」と「B」という名の2人の論理学の学生が跪いている。
どうやら今まさに、卒業に向けた最終口頭試験が行われるところのようである。

シ:「さ、それでは試験を始めますから、目を瞑って…」
A,B「???」――A,B共に、とまどいながらも目を瞑る。
シ:「お口を開いてー……はい、アーン」
A,B:「うぷっ!」――舌下に収まる程度の物体 ――とても滑らかな舌触りだが固い石のような歯ごたえを感じたようだ。
シ:「いま、あなた方それぞれの口の中に、赤(紅)玉か青玉のどちらか1つを入れました。呑込んではいけませんよー面倒なことになりますから!」
「そう2人とも向かい合って。お口を開けて、互いに自分の玉を相手に見せておあげなさい」
    …………
「2人とも、確認できましたね?」
A,B:「はい。」「??」

シ:「それではここで問題ですw!! お2人それぞれにお聞きしますわね」

    『あなたのお口の中にあるのは、赤玉ですか? はたまた青玉ですか?』

「Well, well, well、ご自分の玉が赤玉か青玉か推論し結論することができたとして、
それがもし首尾よく正解であったなら、その玉を差上げましょう。ご卒業のお祝いにちょうどよろしいかと^ ^。
けれども、もし不正解であったなら… 留年?… ということにはなります…; ;。
そうね、どうしても結論に至らなかった場合は……。追試問題も考えておかなくてはならないのかしら?」

シ:「ただし、2人のうち少なくとも1人の口の中には青玉が入っています」
「また、もしAに「青玉」と結論できるのならば、BにもAと同じ結論が出来ます。AB逆も同様」
       ――↑「(か赤玉)」の部分を削除しました。(2005.8.31)
「さあ!、解った人からどうぞお答えになって!! 」

B:「(Aの口の中には、青暗く煌めく宝石が観えた……)」
「(だとしても…、私の玉はいったい何色??)」
    …………
    …………
    …………
――読者は、Bの立場になって考えてみてくださいね♪
    あなたは卒業できるタイプの人ですか??

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    〜あとがき〜
 これは、(たぶん有名な)『3人の帽子』(日経サイエンス社の『aha!Insightひらめき思考』(マーチンガードナ著)に載ってる)のパラドックスの本質をくり抜いて洗練させた2人版である。
 一昨日、友人のcgiプログラムをhackしてたときに、何かエウレカな気分になったので、このパラドックスは傍論だけど、上げときます(創作初出)。
 何のことかって?

    <プログラム(or関数orアルゴリズムor思考パターン)が同一である
かどうかってことは、どう判断できるか?
 "同じ"、ということは、あるモノサシで測ると対称ということである。
たとえば、実質的には、
    1.同じ入力の場合に同じ出力をだすか
ということを確かめればよい。さらに全く別の方法として形式的に、
    0.同じソース表現をとるプログラムであるか
という確かめ方もある。――え 当たり前ですか……


 このパラドックスを解くにあたっても、☆対称性 が大きな手がかりになっている。
    「もしAに「青玉(か赤玉)」と結論できるのならば、BにもAと同じ結論が出来ます。AB逆も同様」
 はたして、認識可能性の対称性から、全般状況の対称性は導けるのだろうか……

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蛇足) 30000PV達成 20000pvはid:mind:20040620
一年以上も自分の日記を開いてなかったような気がするが ;