3人の帽子(の上の玉)のジレンマ?

id:mind:20050826から、"対称性パラドックス"つながり

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 A,B,Cの3人が帽子を被って集合している。
 Dが、「各人の帽子の上に、ルビーかサファイアのどちらか1コを置くから、自分のがどちらか判ったら答えてみな」と言って、凡ての帽子の上にルビーを1コづつ置いた。
 しかし、誰も答えられなかった。
 そこでDは、「誰か他人の帽子の上にルビーが1コでも見えたら、手を挙げてみな」と言うと、3人とも手を挙げた。
 するとC(か誰か1人)は、「自分の帽子の上にあるのはルビーだ」と答えられた。
 なぜだろう。
 また、その推理は論理的に正しいか。

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(元ネタなど)
『アック記念賞レース』(≒『3人の帽子』)(日経サイエンス社の『aha! Insightひらめき思考』(マーチンガードナ著)
その中の「帽子の色」を「帽子の上の玉の色」に置換えたのが、上記のパラドックスです。
――これは2002.5.31にできたという記録がある。
 それをさらに、2人でも成立つように改変した上で、「赤玉」と「青玉」を入替えると、昨日の『お口の中は赤玉?青玉?』のパラドックスが創れます。――id:mind:20050826


 ちなみに、「玉」とは「ギョク」と発音すれば玉璧の玉。丸い宝石くらいの意。孔を空けてドーナツ状に仕上げると「璧」と呼ばれていたらしい。完璧に。
 ルビーのことを紅玉という。生命力の象徴。 ――裏切りの血の色ね ;
――相手の血を流させても生き抜くということか?!ブルータスよ…
――なかでもpigeon bloodの色のものは最高級とされている。平和の象徴のハトを料理して喰うとはね……フランスでは普通らしいけど。
――フランス国歌の歌詞も凄い。自由と平和は血によってしが獲得できないのか? 小学生にそんなこと刷込んで良いのかな〜?
――ほんとうは「赤玉」と書くと赤いジャスパー(メノウの仲間で不透明なもの)のことを指してしまう。
 サファイアのことを青玉という。「マリアさまの こ こ ろ♪ それ はサファイア♪」らしい。何でかしら?? ――調べるなyo?
ただし、私は発音しやすいし対称的なイメージも湧きやすいので「アカダマ アオダマ」と読んでます。


 『赤玉青玉』は、論理的には1年以上前にできてたのですが、
囚人のジレンマとの関係で赤玉と青玉の役割を決めたり、臨場感を鮮やかにするのに時間がかかりました。
――いや、萌えアニメに耽って頽廃してただけだって
最初はインドの人がやってるような感じに宝石を眉間に貼付けるようなモノを考えてました。
昨日のversionの方がなんか背徳的でエロい感じ? 近頃、水面下で同人誌ブームみたいだしねぇ(爆


 まあ、奇特にも考えて下さった方はどんどんtrackbackしてみて下さいな。

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2005/08/31
id:ginkyu:20050829さんにtrackbackをもらったので追記。
冒頭の問題文は『aha!』という本から改変したものなのだが、
やはり有名なパラドックスらしく、
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&ie=Shift_JIS&q=3%90l%82%CC%96X%8Eq%81%40%83p%83%89%83h%83b%83N%83X&lr=lang_fr%7Clang_ja%7Clang_en
などとして検索すると出てくる。
http://www.miyazaki-u.ac.jp/~e02702u/puzzle.html#no14
などなど。


『aha!』の答えとほぼ同じな解答があった。
http://www.kyoto-u.com/lounge/discuss/html/200304/03040030.html
から引用すると、

===================================================================
A,B,Cの博士がいるとします。このとき"A博士は"以下のように考えるはず。

自分が白の帽子をかぶっていたと仮定すると
B博士はA博士が白でC博士が赤であることが分かる。しかしB博士は自分の帽子の色は分からない。
そこで、B博士が自分の帽子の色を白と仮定して考えたときB博士はこう思うはず。
「C博士からはA,B博士の帽子の色は白と分かっているのだからC博士はすぐに出られるのに何で出ないのだろう」
そこで待ってみたもののC博士はいっこうに出ようとしないのでそこからB博士は自分の帽子
の色を赤と結論づけることが出来る。

しかしB博士はいっこうに出ようとしない。ということは自分の帽子の色を
白と仮定したことがそもそも間違えだったんだ!
[注:ここまでの話はBとCを入れ替えたものも同時に成り立つ]

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というようなことをそれぞれの博士が同時に考えて、結局3人とも自分の帽子を赤と判断する。//


# 文章下手でもうしわけない

死角 2003/04/20(日) 23:24:32
ピンポーン。

A博士が自分は白だと仮定した場合、B博士の様子を観察すれば色々分かっちゃうんですね。なぜならA博士が白の場
合、B博士はC博士の様子を観察することですぐに自分の色が分かるはずだから。

でもね 2003/04/20(日) 23:51:42
3人のうちひとりでも頭の回転が他の二人に劣る人がいると
この前提は成立しなくなっちゃうとおもうの。

死角 2003/04/21(月) 00:16:31
そうですよ。
3人とも最高級に頭がよかったとみなすしかないですね。
だからこの問題は「博士」でないとダメで、「囚人」にしちゃうと説得力ないんです。

死角 2003/04/21(月) 00:20:09
もし3人の中で1人だけがとびきり頭の回転が速くて、
他の2人よりも先に結論を出してしまったら、残りの2人は混乱しますね。
そのへんはご愛敬ということで。
=============================================================以上で引用終わり。

なんか、3人とも博士じゃならなきゃならないなんて、"囚人"にとってはショックではないですか!!!
囚人でも観察力と論理力がある者には解けるような解答でないと、まだパラドックスな感じ〜
    「同時に答えられた」というのも現実的でない。
誰かが最初に答えてしまうと、他の2人は
     私以外の誰も答えられ(てい)ない
という理論的根拠を失ってしまうので、最初の人とは違った論理過程でしか答えられなくなる、または全く答えられなくなるはずでは。



http://hobby.2ch.net/hobby/kako/1018/10187/1018791532.html
からの引用によると、

===========================================================================
145 名前: 雀帝 ◆8EsnjQOo 投稿日: 02/04/27 14:08
ここに死刑囚が3人います。
3人共凶悪犯なのですが、王様の情けで今からするゲームに勝った者は刑を免除されることになりました。
そのゲームとは3人が目隠しをされた状態で黒か白の帽子を被されて、小さな部屋に入れられます。
そして同時に目隠しを取り、他の2人の帽子の色を見て(自分の帽子の色はわからない)、どちらか片方の帽子、
または2人共の帽子が白だった場合は手を挙げます。その状況から推理して自分の帽子の色がわかった人からその
部屋を出て王様に色を報告するというものです。
もちろん当たっていた場合は死刑免除。
ゲームスタートとなるわけですが、3人全員が白の帽子を被ることになりました(もちろん囚人は知りません)。

そしてその部屋に入れられて全員の目隠しが取られました。もちろんルールに則って囚人は全員手を挙げました。

そしてその中の1人が自分の帽子の色は「白」だと確信して真っ先に部屋を飛び出して王様に報告に向かいました。

さて、なぜこの囚人は自分の帽子の色が「白」だと確信できたのでしょうか?

↑既出だろうけど……誰か解答キボンヌ。


146 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 02/04/27 14:54
取りうるパターンは
自分  相手
●  ●●  自分は判る
●  ●○  自分は判る
●  ○○ 判らん!  
○  ○○ 判らん!
○  ○●  自分は判る
○  ●●  自分は判る
のみ。
このゲームで自分の帽子が何色か確信できるのは

①相手二人ともが黒帽 二人とも相手が手を挙げる→自分が白帽
②相手二人ともが黒帽 二人とも相手が手を挙げない→自分が黒帽
③相手が白帽と黒帽 白帽が手を挙げる→自分は白
④相手が白帽と黒帽 白帽が手を挙げない→自分は黒帽
である。
自力で判断できないのは全員白なのか自分だけ黒なのか、だけであるが、
自分だけ黒帽の場合、相手二人は前述の判断基準で考えれば判るので
席を立つはずである。
席を立たないということは相手二人も判断出来ていないということだから
必然的に全員白帽である。
================================================================以上で引用終わり。

――「相手二人も判断できていない」
というのは、しばらく待たねば判断できないはずだが、
いったい、いつまで待てばよいの〜 ;
相手も私と同じように、「「相手C」(つまり私C)が判断できない」ということを確認するために、
    私の出方をじっと待っている
のかも知れんじゃないの〜
――友人Nによる指摘、thanks!

  • 3人とも解けるのか、  ――めでたしめでたし
  • 1人しか解けないのか、 ――問題状況が客観的に対称なのに、答えが対称でないなんて、パラドックス〜〜;
  • 誰も解けないのか、   ――3人の能力を上げていくと……

まだまだ詰める余地がありそうです。


――パラドックスを生じさせるためには3人でなきゃならない必要はあるの?
 この問題で、

  • 我々(Dの立場)は、C(か誰か1人)を観察して〜
  • CはAとBとを観察して〜
  • B(かA)はA(かB)を観察して〜

と場合分けすると整理しやすいのですが、こんなに複雑にする必要はあるのかな?


 さらには、
パラドックスを提示する人と、パラドックスに回答を与える人との、文章上のcommunicationの難しさもあって、
ネット上では両者とも混乱している模様……
…ということで
    『お口の中は赤玉?青玉?』――id:mind:20050826
のように単純化してから考えることにした次第です。
――てゆーか答えが出たから問題文にしてみた?
――答え出すまでに1年もかかったっての?
――答えたくて仕方ない模様…w スマン