★自己言及したいの?否定したいの?のジレンマ

――id:mind:20050925から、自己言及つながり
――id:mind:20040620から、対角化原理つながり

  • 自己言及(ないし相互言及)    の楽しさをとるか、
    • 万能道具の設計図だろうが何であろうがDATAとして引用してくる自由
    • 万能actorとか万能関数としての、大脳とかcomputerとか ;万の仮面を持つ少女w

――こっちがむしろ東洋的か。八百万の神々 が併呑し合うグロとか。

  • 完璧な否定関数         の「馴染み深さ」をとるかのジレンマ

――西洋的二元論? 光と闇、善と悪、拮抗する二つの力って? ――これは無(ゼロ、nil)を勘定に入れれば、3元論だね。
<でもこっちも当然の前提みたく 「自然」 な感じで捨てがたいなぁ〜 ;
 /いや、自然界を、先人からの工夫により培われてきた「言葉という形式の先入観」にとらわれず虚心坦懐につぶさに観察してみたならば、論理否定の実例なんて存在しないのかもよー?
――単純な「否定」の概念の方がスッと複雑な大脳にimprintingされ易いんだけど(これこそ逆説的)、どっちを残すのも理知的ってえことか。 ―
―― 「リンゴでないもの」の集合に、「坊主が屏風に上手に絵を描くこと」とか集合でないものの集合とかが要素として含まれてしまうのは、ナンセンスという考えもあり得る。
―自己言及信奉者からみれば「否定」がガンで、否定信奉者からみれば「自己言及」がガンってこと。 ――非ユークリッド幾何学みたいなもん?
―― 人間たちよりたくさんたくさんのcomputerたちが主役として活躍する時代が爛熟してくると、「否定」の意味も矮小化されていくってことなのかな?



―― 両方を望むことなく、 足ることを知れ、 かよ…
―― →場合によって使い分け?
<Happyに生きてくためには?

  • 何かにつけて否定したがる人々 は、他の共同体の方だけ向いて自分らの共同体は省みない方がイイ?
  • 自分らのことばっかり考えてる人々 は、なんにつけ、否定することには慎重になった方がイイ?

併せると) →自分らのことは否定せず、その他の人々のことを否定してれば、いちばんhappy?  ――民族国家とか歴史観ってそんなもんなのかなぁ?


(記号化)
† 灰色構成式 ――(参考)  -----------------------------------
g BがGから灰玉をもらえる
Bg Bがgを確証する
灰色構成式 G:        「灰色ワニGがBに言った」
     「もしも貴方が「灰玉をもらえる」と確証できなかったときに限り、灰玉を差上げましょう」
G:       ~Bg ≡ g
    もしBがgを確証できなかった ならばそのときに限り、gは現実に正しくなる。 ――もしGがウソつきでなければね。
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――やはり基本はこっちか。でもそんなに簡単ではない??
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クレタ人の嘘つき構成式 C: 「クレタ人Cが言った」
    c「凡てのクレタ人は嘘つきだ」


――アナタは、「cが 真だ」と判断しますか? それとも「偽」と?
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―― c v ~c は排中律だから常に現実に成立つはずだけど〜、真偽判定できないなんてことあんの? この理知的なあたしが?
cを変形していくと、
→   「(たとえば)私  は嘘つきだ」
前提) 嘘つき 言ったことは凡て偽の命題である、という人 ――と追込んだ定義にしてみる。
→   c:「この文cは正しくない」
C:        ~c ≡ c       ――イヤーンな入れ子、悪魔的? ;
    もしcが現実に正しくなかった ならばそのときに限り、cは現実に正しくなる。
     cがどんな命題(; 2+2=4)でも 、~c ≡ c は、偽、つまり~c ≡ cは恒偽式(論理矛盾の実例)。であり、現実に正しくなることが不可能。
    →Cは論理矛盾を口にした。誰も現実に正しいその言葉~c ≡ cを吐くことは不可能。そう正しく言うCが実在し得ない。
それなのに、Bが本気でCの言うことを信じると、
B ├
・       ~c ≡ c    ―― ⊥ の別表現
tt)       (~c ≡ c) ⊃x         ==== x は任意の命題
            →x
┤と、論理矛盾に陥って、何でも確証してしまう…… アタマが爆発だァ!!



<解決?

  • ⇒①「Cが〜を言った」とうのが、現実に正しくないウソである(;Cは実在し得ない)という解決。

―― cの真偽には「意味」(を解釈する前提条件)がない、というオチ
――「問題文の誤り(出題ミス)」とも言うw

  • ⇒②(「Cが〜を言った」というのは現実に正しいが、)現実に全く正しくなり得ない内容を、さも正しくなる可能性がありそうにparadoxicalに語って聴衆を混乱させた、見事なホンモノの嘘つきであったという解決も。 ――方便でなく論理矛盾を信奉してるのなら、分裂症気味 ;

     (p≡(p≡ q))    ⊃ q
が恒真式(Goodmanによる)であることから、qを~cとおけば、
<     c≡(c≡~c) よって ~c
B ├
・      c≡(c≡~c)
tt)     (c≡(c≡~c)) ⊃ ~c
            →~c

と結論できることはメタに興味深い…。 ――ぜんぶ大文字で式を組立てることも出来そうね。
/下手なprogramだと、cの値を評価するために、~cを評価しようとして、その中のcの値を……と沈黙freezしてしまう。



―― 一説によれば、物語の内容に、論理矛盾が含意されていると、
  ――その語り手が聴衆の動物的感情の好みに合致している場合、聴衆は自分の読みとりたいことばかりを(自分勝手にw?)読みとって、イイ物語だと勘違いしてしまうと云う(認知的 強 協和?)。 ――人間の大衆操作の基本なのだろうか?  宣伝省が民主的手続にのっとって合法的に全権委任を勝ちとった後、(政敵の台頭可能性を保障する)民主的手続を、熱狂的に支持する国民の面前で民主的手続にのっとり合法的に、したり顔で、廃止した、と言うアレもparadoxicalだねぇ… ――形式ばかりの適法性に気を取られていると、こうなってしまうってことか…。
  ―― 「storyに深みが出る」とも言うw? ――能動的な読み手には色々と考えさせることができるからさ? ――とつぜんCがGに代わっちゃったりとかをみてね ;
――桜都国システムの介入者がPeaceMakerの権限を.hackしたら世界の皮膜が薄くなっちゃって女神さまっとずっと一緒に暮らして行かなくちゃならなくなったのか…@@グルグル

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{自己言及の深淵

◆数学版
{対角化原理ないし公理
◎設計図ないし、引用、形、indexを(可算無限に収まる範囲で)作成可能
――ゲーデル数などのindexを割振れる。
――無限じゃなくても引用記号などを工夫すれば自己言及は可能。
◎変身機械ないし万能関数をprogram可能、
――eval()をprogrammingすることは可能。    ――LispとかPC;Lindowsとかはその卑近な実例…

⇒任意の関数 を対角化して、自己適用関数を実現できる。    ――対角化公理
⇒任意の関数R に、不動点が存在する。            ――不動点定理
    Rと自己関数の卵の合成関数が、その合成関数の形 を引数とした、値。


{Lawverの不動点定理、その証明
(仮定)  形 の集合をXとしたとき、〔⇒ X⊇Y
① 凡ての作用写像 f: X→Yが、形 `f ∈X を持つ。
② 万能作用写像 eval: X・X→Y 、どのwについても eval(`f, w) = f(w)が成立つ。   ――カリー化? ――LISPでは(apply x y)か。
⇒eval(x, x)は、任意のfの形 を代入するとeval(`f, `f)、=f(`f)であるから、自己適用関数となる。
――self(x)をeval(x, x)として自己適用関数を定義してもいい(マクロ定義でもいい)。


(証明)
 任意の 変換R: Y→Y に対して、
            Q(w) = R・eval(w, w) と定義したとき、
①より、Q()の形 `Qが得られる。
 その`QをQ()「自身」のwに代入すると、         ――不動点処方
            Q`Q = R eval(`Q, `Q)
 他方、②より、         eval(`Q, `Q) = Q`Q
したがって、      Q`Q = R Q`Q

(図式)
  Q`Q     =   R  eval(`Q, `Q)
〔 ||    〕         ||
〔eval(`Q, `Q)〕=    R  Q`Q
        =  R R  Q`Q
          ..........

(結論)
任意の 変換R: Y→Y は、不動点Q`Q ∈Yを持つ。■

不動点を持たないはずの写像 ;否定関数not() が不動点を持つというなら、パラドックスになってしまう
→凡ての関数が不動点を持つ(;λ算法の)世界では、"否定"を完全には表現できない。
<引数の個数が可算無限に行くと、ありうる関数の個数は非可算無限に行ってしまい、関数にindexを付けるのは不可能。
→引数の個数は限定。引数の定義域の話。




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◆様相論理版(意図的に、自己言及とか相互言及とかしまくりの世界 ――なんか我々の世界に似てませんか?
 ――数学でも、数式の文字を、ゲーデル数(;ASCII code)でcountし直すことによって、図らずも同じことが出来ちゃってた。



(記号定義)
A,B,C,… 推論者
p, q, r, … 命題
Ai,Bj,Ck,… ゲーデル数i, j, k,…の推論者A,B,C,…
pi, qj, rk, … ゲーデル数i, j, kの命題


(命題)
⊥ 偽の命題
p⊃q pが真で かつ qが偽のときに偽になり、それ以外のときは真になる命題
Ap Aがpを確証する
BAp BがApを確証する
 ……



(観察により観得しうる大前提)
◎凡ての推論者(と命題)にゲーデル数(正の整数)を割り振れる(整列できる)。


◎変身推論者と同等なEval(i, x)の存在 あるゲーデル数iをもらうと、推論者iになりきり模倣して出力を演じられる
――Ri xはiによって色々な真理関数に変身してしまう"万能関数"Eval(i, x)と事実上同等。
これを利用して、任意のRについて、
<観察事実'(分割性) 任意の推論者Rについて、推論者R'(「Rを分割する」推論者(内側関数))が存在し、凡ての数iについて、
    R pi ≡R' Ri pi
が真となる。 ――ホントか?
――  R(x):= R'(Ri(x))      と合成combinate関数(内側関数)の定義をしてイイって感じ?


<`観察事実(包括性) 任意の推論者Rについて、推論者`R(「Rを包括する」推論者(外側関数))が存在し、凡ての数iについて、
    `R pi ≡R Ri pi
が真となる。
――  `R(x):= R(Ri(x))      と合成combinate関数(外側関数)の定義をしてイイって感じ?


<対角化原理?公理?: 任意の推論者Rについて、pが存在し、
     p ≡ R p が真となる。
 `観察事実より、
    `R pi ≡R Ri pi
`Rのゲーデル数がhだったとする。
   Rh pi ≡ R Ri pi
iを意図的にhにとった場合、 ――不動点処方というか、対角化処方
   Rh ph ≡ R Rh ph
つまり、
    p  ≡ R p
(証明?おわり)



<完璧に愚かな推論者 凡ての真の命題を信じず、かつ、凡ての偽の命題を信じる    は存在するか
 ◎対角化原理より、任意の推論者Rについて、pが存在し、
    Rp≡p 。    ―― ここで、pは真か偽のどちらか(排中律law of excluded middle)。
ここで、次の2つの可能性しかない。    〔嘘つき人とは、完璧に愚かな推論者が、信じたことを語るものとして

  • pが真なら、Rはpという真の命題を信じる。    ;嘘つき人のハズなのに、ついホントのこと語っちゃった
  • pが偽なら、Rはpという偽の命題を信じない。   ;嘘つき人だけど、確かにウソなのに、語り得ないウソがある

どちらの場合であったとしても、Rは 完璧に愚か ではなくなる。
 よって、完璧に愚か な推論者は存在しない。
(証明おわり)
――完璧な否定関数が存在し得ないことになるってこと? ―― x ⊃⊥ で定義できるけど、どうちがうの?
――寡黙な嘘つき人が、語り得た言葉は凡てウソ、というのはあり得るよね。嘘つき人は存在してもおかしくない。
 完璧な否定関数を造ろうとすると、しばしば沈黙する否定関数ができちゃう、か。――prologの「!による否定近似」みたいだな。




<観察事実2(強反射性):  任意の推論者Rと、任意の命題pとqとについて、
    R'p ≡ R(p⊃q)
となるような推論者 R' (Rに対立的な推論者)が存在する。  ――ホントか?


<完璧な推論者 凡ての真の命題を信じ、かつ、凡ての偽の命題を信じない    は存在するか
 ◎観察事実2 より、
    R'p ≡ R(p⊃q)
となるような推論者 R' (Rに対立的な推論者)が存在する。
(qに⊥をとる)
    R'p ≡ R(p⊃⊥)
⇒   R'p ≡ R ~p

* Rは完璧であると仮定する。
→   R'p ≡  ~p
すなわち、pが偽である場合に限り、R' はpを信じる。つまり、R' は完璧に愚か。
→   完璧な推論者 R が存在する ならば、 完璧に愚かな推論者 R' も存在する。
 しかし、既に証明したとおり、完璧に愚かな推論者は存在しない。
よって、完璧な推論者 は存在しない。    ――タルスキの原理?
(証明おわり)
――完璧な証明関数も存在し得ないってこと?